趣味の写真をNFTにして売ってみたい
フォトグラファーとして活動しており、新たな収入源になるのか知りたい
そもそもNFT写真は売れるの?
1枚の絵につき何十万・何億円と高値で取引されることのあるNFT市場。
写真をNFTにして価値がつくなら、渾身の1枚を売ってみたいと思うのではないでしょうか。
結論、NFTと写真の相性はよく工夫すれば売ることができます。
NFT写真を売っているフォトグラファーや一般の方を調査したところ、1枚500万円で落札されたり合計1億円以上で売ったりしている方がいました。
本記事では、NFT写真を売っている人の事例や出品までの手順を詳しく解説します。
フォトグラファーであればNFT写真をきっかけに、写真展への来場者を増やすことにもつながるはずです。
NFT写真を売るためのコツまで解説しているので、趣味で写真を撮っている方も参考にしながら読み進めてください。
1.NFTと写真は価値を出しやすく誰でも始められる
NFTは写真との相性がよく、誰でも出品でき工夫すれば売ることができます。
従来のように、写真をはじめとしたデジタル作品は改ざんや複製が容易にできてしまうため、価値がつきにくいものでした。
一方で、NFTはブロックチェーン※と呼ばれる技術により、デジタル作品の改ざん・複製が極めて困難です。
写真をNFT化すれば「唯一無二の一点物」として価値が生まれ、完全オリジナルの作品であることを証明できます。
次の章では、実際にNFT写真を出品して売れている方を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
取引情報を「ブロック」と呼ばれる単位で記録し、そのデータは1本のチェーン(鎖)のように連結して保管されています。
2.NFT写真を売る方法【7つのステップで解説】
NFT写真を売る方法を7つのステップにわけて解説します。
- NFTにする写真を用意する
- コインチェックでイーサリアム(ETH)の準備をする
- メタスクでウォレットを作成する
- イーサリアムをウォレットに送金する
- NFTマーケットプレイスにログインする
- OpenSeaでコレクションの設定をする
- 写真をNFTにして出品する
実際に手を動かしながらできる方は、読みながらNFT写真を出品していきましょう。
どのような手順かを把握したい方は、出品する際のイメージをしながら読み進めてみてください。
2-1.NFTにする写真を用意する
NFTにする写真は好きなもので大丈夫なので、普段撮影している作品を選んだりNFT用に準備したりしてもよいでしょう。
ただし、イラストではなく写真になるので下記を参考に「著作権・肖像権」の権利侵害にあたらないか確認しましょう。
概要 | 例 | |
---|---|---|
著作権 | 制作物に関して発生する権利のこと | アニメのワンシーンや美術の著作物を撮影して販売する |
肖像権 | 無断で写真を取られ勝手に利用されたりしない権利のこと | 特定の人物の写真を撮影して販売する |
※参考:文化庁|著作物Q&A
出品したい写真が「著作権・肖像権」に該当しそうであれば、作品の使用を控えたり許可を取ったりする必要があります。
写真をNFTにする前にチェックしておきましょう。
2-2.コインチェックでイーサリアム(ETH)の準備をする
NFT写真を出品するにはイーサリアムという仮想通貨を購入する必要があります。
NFTを出品する際に手数料がかかるためです。
仮想通貨取引所に登録していない方は、コインチェックがおすすめです。
ダウンロード数NO.1*の国内取引所であり、電話でもサポートしてくれるため、安心して口座開設できます。
※対象:国内の暗号資産取引アプリ、データ協力:AppTweak
まずはコインチェックでイーサリアムの準備を進めていきましょう。
コインチェックの口座開設がまだな人は、以下の記事を参考に無料で登録を進めていきましょう。
2-3.メタスクでウォレットを作成する
メタマスク(Metamask)とは、仮想通貨ウォレットのことで、インターネット上で管理するお財布のことを指します。
メタマスク以外でも大丈夫ですが、メジャーな仮想通貨ウォレットなので、操作に困った時に検索して解決しやすいのでおすすめです。
メタマスクのインストール方法は下記の通り。
- 「Chromeウェブストア」よりメタマスクをダウンロードする
- MetaMaskのアカウントを作成する
- アカウントのセットアップをする
なお、アカウントのセットアップ時の項目にでてくるバックアップフレーズは、誰にもみられないように必ず保存しましょう。
万が一バックアップフレーズを見られると、NFTや仮想通貨が盗まれてしまうためです。
2-4.イーサリアムをウォレットに送金する
コインチェックで購入したイーサリアムをウォレット(メタマスク)に送金しましょう。
先ほど作成したメタマスクを開き、下記画像の通り「0x」から始まるアドレスをコピーします。
続いて、コインチェックにログインをして「暗号資産の送金」を選択して、下記の項目を入力していきましょう。
入力項目 | 概要 |
---|---|
送金する通過 | Ethereum(イーサリアム)を選択する |
送金先 | メタマスクの「0x」から始まるアドレスを貼り付ける |
送金目的 | その他を選択 |
送金額 | 送金したい額を入力し、申請内容を確認して次へをクリックする |
2-5.NFTマーケットプレイスにログインする
イーサリアムをメタマスク(ウォレット)に送金したら、NFTマーケットプレイスの設定をしていきましょう。
NFTマーケットプレイスは世界で最も利用されている「OpenSea」がおすすめです。
まずはOpenSeaの公式ページにアクセスしたら「設定」をクリックします。
先ほど作成したメタマスクを選択して、ウォレットの接続をしましょう。
メタマスクのウインドウが表示されたら「署名」をクリックします。
プロフィールの設定画面になるので、設定していきましょう。
プロフィール設定が完了したらページ下にある「保存」をクリックしましょう。
設定したアドレス宛にメールが届くので、本文に記載されている「VERIFY MY EMAIL」をクリックして登録は完了です。
2-6.OpenSeaでコレクションの設定をする
OpenSeaでの設定が完了したら、実際に写真をNFTにして出品していきましょう。
OpenSeaにアクセスしたら、画面右上のアカウントマークから「マイコレクション」をクリックします。
なお、コレクションは名前やアイコンなどを設定して、NFT写真を販売する「お店」を作るイメージをすると良いでしょう。
画面が切り替わり「Create a collection」を選択します。
再び画面が切り替わるので、下記の項目を設定していきましょう。
入力項目 | 補足 |
---|---|
Logo image | コレクションのアイコン |
Name | コレクション自体の名称 |
Token symbol | トークンを表すアルファベットの記号 例)イーサリアムの場合はETH |
Blockchain | 利用するブロックチェーンを選択 ※後から変更できないので注意 迷ったらEthereumで良いでしょう |
上記の設定が完了すると画面が切り替わるので、再び設定をしていきましょう。
入力項目 | 補足 |
---|---|
名前 | コレクションの名前 ※基本的には反映されている |
説明 | コレクション説明 ※コンセプトなどを記載する |
URL | SNS等でコレクションを共有する際に必要なもの ※基本的には自動的に設定されている(変更可) |
カテゴリーとタグ | NFTのカテゴリーを選択して設定 |
ブロックチェーン | 利用するブロックチェーンを選択 ※後から変更できないので注意 迷ったらEthereumで良いでしょう |
表示テーマ | アイテムの表示方法で、好きなものを選択 |
入力が完了し、誤りがないかなど確かめたら「コレクションを保存」をクリックして完了です。
2-7.写真をNFTにして出品する
OpenSeaのコレクション設定が完了したら、実際に写真をNFTにしていきましょう。
画面右上のアカウントマークから「作成」をクリックします。
画面が切り替わるので、必要な情報を入力していきましょう。
作成が完了したら「販売用に出品」をクリックします。
画面が切り替わるので、価格や期間などの必要な項目を入力します。
はじめてのNFT写真を出品するのであれば「固定価格」で良いでしょう。
入力が完了したら「リスティングの掲載を完了」をクリックして、下記画像がでてきたらNFT写真の出品は完了です。
3.NFT写真を売るコツ3選
NFT写真を売るコツは下記の3つ。
どんなに魅力的なNFT写真であっても、認知度がなかったり価格設定が間違っていたりすると売れない可能性があります。
本章をチェックしながら売れるNFT写真の準備をしていきましょう。
3-1.SNSのアカウントを作成して宣伝する
NFT写真を出品しただけでは売れないため、SNSアカウントを作成して宣伝しましょう。
どんなに良い写真が取れても、認知されなければ購入するかどうかの土台に立つことすらできません。
前項でもお伝えした「RKさん・omiさん・Ghozali Ghozaloさん」らは、TwitterやInstagramで写真を投稿したり宣伝したりしています。
まずは、SNSのアカウントを作成して多くの人の目に触れることが大切です。
日々の作品を投稿することからはじめてみましょう。
3-2.Giveaway企画で認知度をあげる
前項の通りSNSの作成ができたら、Giveaway企画で認知度をあげていきましょう。
Giveaway企画とは、SNSなどを活用してNFTをプレゼントする企画のことを指します。
「写真を売りたいのに無料でプレゼントするのか」と思うかもしれませんが、下記のようなメリットが挙げられます。
- SNSのフォロワーが増えファン獲得につながる
- 拡散されれば多くの人に認知してもらえる
- フォロワーが増え人気をアピールできる
まずは、SNSでファンの獲得を行い長期的に購入してもらえるように、土台作りからはじめていきましょう。
人気のフォトグラファーさんなら、Giveaway企画を行わなくても購入につながるかもしれませんが、やってみる価値はあるでしょう。
3-3.購入されやすい価格で出品する
「NFT写真のクオリティが良く、少しでも高く売りたい」と思い、1ETHのようにあまりにも高すぎると売るのは難しいでしょう。
価格設定を高くしすぎると購入されない可能性があります。
販売初期の方やまだ認知度が低いと感じる方は、0.001ETH(約250円)〜0.05ETH(約13,000円)※くらいからスタートしましょう。(※2023年7月時点)
実際にNFT写真を販売している「KenTanahashiさん」は、高い価格設定から0.05ETHに変えてからNFT写真が購入されたそうです。
自分の価値を高めに見積もり過ぎました。今度はアホみたいな価格設定をやめて、0.05ETH(今だと1.5万円前後)にすることにしました。これは現実世界でA3プリントを売るなら1.5万円程度だろうという想定のもと決めています。結果はOSコレクションを作った次の日に初めてNFT写真が購入されました。
※noteより一部抜粋
※OSコレクション=OpenSeaのこと
このように、はじめから高い価格で出品しても売れないので、まずは購入されやすい価格からスタートしましょう。
NFT写真の売れ行きや認知度などをみて、徐々に価格を上げて長期的に稼げる仕組み作りをするのがおすすめです。
4.NFT写真を売るのにおすすめのマーケットプレイス2選
NFT写真を売るのに向いているNFTマーケットプレイスを2つ紹介します。
それぞれどのような特徴があるのかチェックして、NFT写真を出品する準備をするマーケットを決めていきましょう。
4-1.世界最大規模のマーケットプレイス「OpenSea(オープンシー)」
OpenSeaは世界最大規模をほこり、NFT市場をけん引しているNFTマーケットプレイスです。
NFTマーケットプレイスの取引高やユーザー数ともに1位となっています。
コレクターや初心者ユーザーも多くいるため、はじめてNFT写真を出品するのであればOpenSeaがおすすめです。
本記事で紹介したフォトグラファーの方々も、OpenSeaで出品しています。
まずは多くの方の目にふれる機会がある、OpenSeaからNFT写真を出品しましょう。
4-2.高値でNFT写真が売れやすい「Foundation(ファンデーション)」
Foundationは2020年5月につくられた、招待制のNFTマーケットプレイスです。
2022年12月に仕様変更があり、現在では招待制は廃止されています。
もともと招待制だったため、クオリティの高い作品や価値のあるNFTが豊富にあるマーケットプレイスとして人気です。
「出品しているだけで価値の高い作品」と認知されていたので、NFT写真の価値が高くなりやすい傾向にあります。
写真に自信があり高価格帯で売りたいと考えている方は、OpenSeaと合わせてFoundationで出品しましょう。
5.NFT写真を販売している3人の事例を紹介
実際に写真をNFTにして売っている方を3人ピックアップしました。
「本当にNFT写真は売れるのか」具体的なイメージができていない方は、どのような作品があるのかチェックしながら読み進めてください。
フォトグラファーだけでなく、独創的なアイディアでNFT写真を売っている人まで紹介します。
5-1.風景や観光地をNFT写真にしている「RKさん」
フォトグラファー・グラフィックデザイナー・DJなど、マルチに活躍する日本人アーティストRKさん。
主に日本の風景や観光地をNFT写真にしている彼の作品は、ダイナミックな構図が特徴です。
NFTマーケットプレイスFoundation(ファンデーション)で出品した代表作は、15ETH(約500万円)で落札されています。
風景写真をNFT化して出品したい方は、RKさんの作品を参考にしてみましょう。
公式サイト | https://www.rkrkrk.tokyo/ |
NFTマーケットプレイス | ・Foundation ・OpenSea |
SNS |
5-2.エキゾチックなNFT写真が特徴的な「omiさん」
フォトグラファー・クリエイター・個人ブランドの展開など、幅広く活躍しているomiさん。
街のネオンを中心に、エキゾチックな作品が特徴です。
Foundationの総取引額は13.21 ETH(約300万円)※となっており、Twitterのフォロワーは10万超えの人気のフォトグラファー。(※2023年7月時点)
街のネオンを主体としたNFT写真を検討している方は、omiさんの作品をぜひ参考にしてみてください。
なお「Foundation」と「OpenSea(オープンシー)」の作品の雰囲気は少し異なるので、出品する際のヒントにもなるでしょう。
公式サイト | https://omikim.jp/ |
NFTマーケットプレイス | ・Foundation ・OpenSea |
SNS | TwitterInstagram |
5-3.自撮り写真をNFTにして合計1億円以上で取引された「Ghozali Ghozaloさん」
インドネシアの大学生Ghozali Ghozaloさんの作品は、前項までの写真とは大きく異なる「自撮り写真」です。
2017年〜2021年にかけて毎日自撮り写真を撮影し、NFTマーケットプレイスOpenSeaに出品しました。
SNSで広く拡散された影響により、合計1億円以上の価値となった作品です。
写真の上手さではなく、これまでにない独創的なアイディアが評価されたのではないでしょうか。
Ghozali Ghozaloさんのように、オリジナル度の高い作品で、NFT写真を出品してみるのも一つの方法です。
なお数々の自撮り写真は、卒業式に向けた動画作りのために撮影されたものだそうです。
まとめ|写真をNFTにして作品を世界中に販売してみよう
本記事では、NFT写真を売っている人の事例や販売方法について詳しく解説しました。
フォトグラファーの方にとって新たな収入源になり得るほか、写真展などのイベントを行う際の集客まで期待できる市場です。
もちろん写真を趣味としており「趣味の写真を売ってみたい」という方にも、チャンスが十分にあります。
記事内でお伝えした通り、写真が上手いだけでは売れないので、SNSで宣伝したりNFTをプレゼントしたりなどの工夫をすれば、素人でも売れるコレクションにしていけるはずです。
これから発展していくと予想されている市場なので、ライバルの少ない今のうちにNFT写真を販売していきましょう。
販売するためには仮想通貨の購入が不可欠なので、まずはコインチェックの登録からスタートしてみてください。
なお、写真ではなく絵(アート)の販売も視野に入れている方は、下記の記事を参考にしてみてください。
NFT写真に関するよくあるQ&A
- NFTとは
- NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン技術を活用した唯一無二の1点物を生み出せるトークンのことを指します。日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。
- ペット(犬)の写真が高額で売れたのはほんと?
- 本当です。ドージコイン(Dogecoin)のモーチーフとなった柴犬「かぼすちゃん」のNFT写真は4億7000万円で落札されています。
- 高額で売れたNFT写真はどんなの?
- 記事冒頭でお伝えしたRKさんの代表作「Everyday Life in Taiwan」です。